基本的に身体のどの部分に当たっても一本になります。
(ただし、短刀・短槍・長槍に関して言えば、面突きと胴突きのみ)
試合時間は1分間、1本勝負で延長は30秒まで。
時間を過ぎると両者引き分けに なり、双方ともに負けとなります。
ただし、決勝は3分、3本勝負になり、先に2本を先取した方が勝ちとなります。
相打ちは、両者敗けとなります。
3本勝負の場合は、相方が、1本づつ取ったことになり1本勝負として試合を行います。
ただし、先に1本を先取していた場合は、優勢とみなし、先取していた選手の勝ちになります。
得物を持っていない手で受ける事を『かばい手』といい一度のみ許されています。
かばい手は「かばい手」と審判が警告し、警告を受けた選手は、腰辺にその手を固定して試合を続行します。
尚、二度目は使えない(大けがをして使えないという前提)ため、使った場合はかばい手反則2回で1本とされます。
場外反則は1回までで、2回目で反則負けとなります。
また、3本勝負では、仮に1本目で一度場外反則をとられてしまい、3本目にもう一度場外に出た場合には、場外反則2回で反則負けになります。
試合中の転倒や得物を落とすなどを行っても、原則的に試合続行になります。
まずその前に・・・。
面
スポチャンを安全に行うために、最低限、面を被っていただきます。
なぜ、面をつけるかというと、剣自体は中に空気が入っている『エアソフト剣』を使用しているので、剣による骨折などの受傷事故はほとんどないですが、身体でも柔らかい部分である『目』と『鼻』、『鼓膜』だけは当たったりすると大けがに発展します。 如何に『安全な道具』といえども、この部分の保護だけは最低限しなければなりません。
ですので、そんな部分の集合体である『顔と頭』を保護するための面を被って頂きます。
面は、3種類あります。
旧面↓ 新面↓ 新新面↓
です。
当道場でもこの三種類を貸し出し用として持っているので、初心者の方はまず自分にどれが合うか試してもらい、入門して頂く際には、面は必ず購入して頂きます。
基本動作
この種目は、打突種目(短刀、小太刀、長剣フリー、長剣両手、二刀、楯小太刀、楯長剣、楯短刀、棒、杖、短槍、長槍、長巻)の剣を使い、スポーツチャンバラの基本となる5つの打突覚えるために行なわれていた素振りを種目化したもので、スポチャンで唯一の形の種目になります。
一斉号令とともに、各コートの選手2名が基本動作を行い、その形の忠実性などを競い合います。
この種目においては、女性のしなやかさがかなり高い評価を受けており、過去行われた、世界選手権のグランドチャンピオンの8割が女性で、中には小学生でグランドチャンピオンに輝いた選手もおり、この種目は老若男女問わず、競い合うことのできる種目です。
短刀 全長45cm以下
刺突部位は主として面(首から上)、胴(首から下、へそまで)のみ一本となります。
また、打突は面打ちや小手打ちなども一本になります。
かばい手や足を突いた位では決定打とせず、致命傷になる部分の護身を目的に行われる種目です。
また、この種目に関しては蹴り技が認められています。
理由としては、元々スポーツチャンバラは護身道であり、身を守るための術を学ぶために開発されました。
実戦において、真性打撃である『蹴り』『関節技』『投げ技』などが出る可能性があり、恐怖心を払しょくするために短刀の試合ではこうした真性打撃を認められています。 しかし、現在では受傷防止のため、『蹴り』だけを残してそのほかは禁止となっております。
小太刀 全長60cm以下
スポーツチャンバラは「小太刀に始まって小太刀に終わる」といわれるぐらい人気のある種目で、又、この小太刀が入門の基本となっています。
手近にある、雑誌をまるめて武器にするとか、木片や警棒警戒棒など実用性や軽さが護身道として適しています。
扇打、押打、回打、掏打など基本的な打法とデフェンスの囲い技がマスターできれば楽しい競技ができます。
短い小太刀とはいえ卓越すれば、そのスピードは素晴らしく、長い得物を圧倒する。まさに「スピードの祭典」に相応しい種目です。
長剣フリー 全長100cm以下
長剣でも、こちらはフリーハンドで、ヨーロッパのレピアやサーベル流の使い方の可能な種目です。
本来は両手、片手操法のどちらでも良く、フリースタイルだったのですが、競技会を重ねるごとに、多くが片手操法になりました。ただ、両手持ちでも出場できるのでご安心ください。
長剣両手 全長100cm以下
全長100cm以下の長剣を用い、両方の手で把時する種目です。いわば剣道を想像してもらえるとわかりやすいです。
世界の分布は圧倒的に片手使術が多いのですが、この打刀の使術は日本人にはなじみがが深く、捨て難い魅力があり、まさに子供の頃のチャンバラゴッコやテレビの時代劇がそこにあるからだと思います。
しかし日本剣道流はデフェンスが甘く、一足一刀で飛び込めば大方が相手の剣も当たってしまい、相打ちになるケースが多いので、この種目を行うに当たり、一考を要するところだと思います。
二刀 全長合計160cm以下
小太刀と長剣の2本を使う種目です。
日本では二刀といえば宮本武蔵の名前が出るほど、特異な構えのようですが、世界では二刀は極めて当たり前の構えで、ヨーロッパのある国では正規軍が全員二刀というポピュラーな構えになります。
左前でも右前でもよく、小太刀はデフェンスに使われる方が多いようですが、打突も有効です。
楯小太刀 全長100cm以下
左手(又は右)にスポンジ製の楯を持ち、右手(左手)に小太刀で戦う種目です。
楯を持って戦う法は日本では馴染みが薄いのですが、しかしヨーロッパやアフリカでも楯を使う剣術はかなり発達していて、デフェンス、オフェンスの両手操作のバランスとタイミングが同時に使えて合理的な戦い方が出来ます。
楯長剣 全長140cm以下
2011年11月1日より正式種目入りした種目がこの楯長剣です。
基本的に楯小太刀と同じでただ、持つ得物が小太刀から長剣に変わった種目です。 小太刀から長剣に変わった分、取り回しが長くなったりしておりますが、相手の打突を防げる利点がありますので、今後の発展が期待される種目です。
楯短刀
2018年2月15日より正式種目として追加された種目です。
左手(又は右)にスポンジ製の楯を持ち、右手(左手)に短刀で戦う種目です。
戦い方は楯小太刀と同様です。
棒・杖(じょう) 全長200cm以下(棒は200cm、杖は140cm)
棒
杖
上下どちらからでも打てるように工夫されている得物です。
棒は使い慣れると極めて妙味のある技が多彩に発揮できます。長剣や二刀と戦うとかなり強いですが、槍などには持つところの長さに問題があり、不利のときもあります。
棒先や棒尻を交互に使う左右打ちや、一回転して反動を利用して打つ回転、横面打ちや足打ちなど、相手の意表をついて功を奏することもあります。
以前は、棒のどの部分を持ってもよかったのですが、ルール改正によりエアソフト部分(柔らかい部分)を持つことが反則になり、コネクター部分以外の硬い部分を両手保持をして打つことが原則になりました。
ただし、手の方向の持ち替えは反則とされていませんので、琉球棒術のような順手から逆手に持ち変えることは可能です。
短槍(たんそう) 全長100cm以下
短槍とは短い槍のことです。
このスポチャンには特に小学生が多く、低学年では自分の背丈の2倍近くはあるこの2メートルの槍を、まずは操作する事自体無理でした。
それでも槍を好きな人たちがいて有段者も相当いますが、反面、長槍の級を取得するチビッコ選手が少ないのが現状です。
そこで小学生などにも楽しめるように、まずは短槍から始めることが目的でこの種目が作られました。
突いたり払ったり、避けたりと、かなりショートレンジでスピーディーな刺突の攻防を理解し楽しむ競技です。
長槍(ちょうそう) 全長200cm以下
槍をスポーツとして研究と鍛練をすることは、極めて意義があります。
それは、飛び道具を除き、人類が手に持てる獲物でこれ程戦果を上げた武器はないからです。
極めて単純で直線的な突きの強さは、古くより戦闘の中心となって活躍したものです。
物を持った剣術が徒手空拳の「三倍段」であるというならば、槍はその「剣術の三倍段」の利はあるといえます。
この種目は、面突きと胴突きのみが有効打突で、面打ちや足打ちなどの打撃行為は禁止されています。
長巻(なぎなた) 全長200cm以下
長巻は以前、重大事故が発生した影響で長い間、中止されていましたが、2015年春に正式種目に戻りました。
長槍の得物を使い、面打ちや足打ちなどを有効打突に取り入れた種目です。
日本でいうところの『薙刀』や『長巻』、ヨーロッパでいうところの『パルチザン』などがこのカテゴリーに入ります。
得物自由 ※すべての種目OK
得物自由は、スポーツチャンバラにおける全ての種目が出場できる、いわば『スポチャン界の無差別級』に当たります。
出場する選手の得物の比率としては、二刀 65%、楯小太刀20%、槍6%、棒3%、長剣フリー3%、その他3%といったところでしょうか。
各々自信のある得物を持ち、二刀VS一刀、槍VS短刀など様々な種目での戦いを見ることが出来るのもスポチャンの醍醐味です。
団体戦
基本動作 団体戦
3人1組になり、号令と同時に3人が一斉に基本動作を行い、その優劣で勝負を決めます。
この基本動作団体戦は、通常の基本動作の判定基準となる、『形の忠実性』『美しさ』などの他に『団体の調和性(ユニゾン)』が評価され、3人が心を一つにして一斉に繰り出す形は観客を魅了する、とても綺麗な形になります。
また、3人とも同じ得物を持って行うことが原則としてあり、3人とも違う得物で行うことはありません。
打突 団体戦
打突団体戦は2種類あります。
打突団体戦
3人1チームもしくは5人1チームになり、行います。
剣道などで行われるような団体戦で、1人づつ戦い、勝った数(星数)の多いほうが勝利になる方法です。
スポチャンの場合は、同じ得物ではなく、下記のような形で行います。
3人の場合、先鋒:小太刀、中堅:長剣、大将:得物自由
5人の場合、先鋒:短刀、次鋒:小太刀、中堅:長剣、副将:二刀、大将:得物自由 ※ただし、試合によっては先鋒:小太刀、次鋒:長剣フリー、中堅長剣両手、以下同じというような場合もあります。
次に最近行われるようになった団体戦が以下のものです。
団体戦(320cm)
この団体戦は合戦方式(1つのコートに全員が入り、敵チームが全滅したら勝ち)のルール取り入れているのが特徴です。
ただ、皆が長い得物を持ったりすることはなく、全員の得物の長さの合計が320cm以下になるようにすることが決められています。
長さの一覧は以下の通りです。
短刀:45cm 小太刀:60cm 長剣:100cm 二刀:160cm
楯小太刀:100cm 楯長剣:140cm 短槍:100cm 杖:140cm
棒:200cm 長槍:200cm 長巻:200cm
例: 長剣3名→300cm 長剣2名・小太刀2名→320cm
長槍1名・小太刀2名→320cm
様々戦術を考えて、挑むことができるのがこの320cmルールの団体戦です。